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2008
08/15
金曜日
【番外編】受付スタッフの浅葉さん
8月15日 金曜日 (晴れ)
63年前のこの日、「堪へ難きを堪へ―」という昭和天皇の玉音放送によって人々は長かった戦争の終結を知りました。エコプラザの受付スタッフで当時5才だった浅葉雅子さんのその日の記憶は、炎天下のうだるような暑さと閑散とした駅のホームで幼い妹と弟の世話をする母の姿、そしてラジオから流れてきた声のただならない響きだけだといいます。
浅葉さんは、父親が徴兵される前に確保していた八ヶ岳の麓にある甲斐小泉のお寺へと疎開をする途中でその瞬間を迎えました。市街地の74%(79%とも)が灰燼に帰した甲府大空襲を生き延び、しばらく母方の実家に身を寄せた後、母親に連れられて3歳の妹、1歳の弟とともに疎開先へと出発したその日が1945年の8月15日だったのです。
昼前に降り立った甲斐小泉の一つ先、小淵沢の駅。母親が降りる駅を間違えたので、夕方4時ころまでその閑散とした駅で次の列車を待つことになりました。母親が駅の水道で弟のオムツを洗濯しはじめたのを傍目に、ベンチでひとり遊んでいると、不意に聞こえてきた節回しに癖のある男性の声。その声を聞いた瞬間、幼いながらにそれがただならぬ放送なのだと感じ取りました。しかし、そこには当時の写真や映像として私たちが目にするような起立して涙にむせぶ人々の姿はありませんでした。記憶に残っているのは弟のオムツを洗う母親と周囲に広がる田舎の砂利道だけ。それ以外の人の姿を見た記憶はないと浅葉さんはいいます。
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